機構長挨拶Message

本学では、減災・復興デザイン教育研究センター、グローカル感染症研究センター、医学部附属病院災害対策室／高度救命救急センターが中心となり、防災・減災、防疫、災害医療に係るインテリジェンス・ハブとしての機能を拡充し、自然災害や感染症の拡大をはじめとするマルチハザードへの対応を強化するための組織として、令和4年4月1日にクライシスマネジメント機構を設置いたしました。

近年激甚化する気象災害、発生が懸念されている南海トラフ地震、新型コロナウイルス等の新興感染症への脅威、災害発生時など衛生状況が不安定な緊急状況下での人獣共通感染症などの伝搬リスクなどが同時に発生するマルチハザードへの対策は、実施の本体たるべき地方自治体においては、防災と医療の司令塔がそれぞれ縦割りで、統括すべき情報を一元化する仕組みが整備されていないなど困難な場合が多くみられます。

本学では学内の防災・減災、感染症対応、災害医療、福祉健康分野を一つの組織として有機的連携を進め、防災・減災に関する研究をするのみならず、自治体と一体となり災害現場対応のニーズに即して、自然災害と同時多発的に発生する極めて対策が困難なマルチハザードに関連した動的な情報を一元的に集約・管理・活用する仕組み（統合基盤情報）を構築することを、他に参考とし得る例のない先駆的な取組として掲げております。さらに，大分県や県内市町村、民間企業や団体、県民と協働し、地域社会のマルチハザード関連のデータを統合しマネジメントすることで、防災・減災、防疫、災害医療への対応の強化に関する事業、地域社会における教育や活動支援を継続的に実施することも目的としております。
皆様方のクライシスマネジメント機構へのご理解をいただくとともに、地域の「知」の拠点として意欲的な取り組みを進めてまいります。